ブックタイトルライフアップVOL.80

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概要

ライフアップVOL.80

福岡山王病院だよりLIFE UP | 9―産婦人科で低侵襲手術を行っている主な病気はなんでしょうか渡邊副院長 子宮筋腫や卵巣腫瘍が一般的です。子宮筋腫は40歳代なら3割にみられる病気ですが、筋腫の大きさや場所によって月経痛や腰痛がひどいなど日常生活に支障が出ている患者さんが対象です。当科での低侵襲手術の腹腔鏡下手術症例数は2009年の開院以来、今年1月5日に6000例を超えました。1週間に16例ほどの実績で、この数字は全国でもトップレベルです。―以前の手術はどうだったのでしょうか渡邊副院長 従来はお腹を10センチほど切開する開腹手術でした。手で直接触って確認しながら手術ができるため、非常に大きな筋腫でも対応が可能で、小さな筋腫が多数あっても取り残すことがないのがメリットです。しかし、大きな傷が残って身体への負担が大きいことが欠点です。痛くて歩くのに3日ほどかかり、退院まで10日、元気になるまで1カ月かかることがあります。―低侵襲手術はどんな方法で行うのですか渡邊副院長 子宮全摘手術の場合、膣式手術または腹腔鏡下手術を行います。卵巣腫瘍は場所的に膣式手術が出来ないので腹腔鏡下手術を行います。 膣式手術は膣から手術を行う方法で、お腹に傷がまったくないため、最も負担のない手術方法です。腹腔鏡下手術は、おへそに5ミリから15ミリの穴を三つあけて、カメラとマジックハンドのような鉗子を使って手術を行います。 腹腔鏡下手術は傷が小さいため手術後の痛みは軽く、翌日の昼過ぎには普通に歩けます。1週間で退院して翌日から仕事もできます。傷も目立たず美容的にも優れています。―子宮を残したい患者さまも多いですよね渡邊副院長 妊娠を希望されている場合、子宮の全摘出を避けたい場合は筋腫のみを核出することができます。子宮筋腫が大きかったり、数十個も筋腫があったりした場合、ほかの病院で子宮全摘しか方法がないと言われた患者さんが当院に来られることがあります。どのような筋腫でも子宮温存は可能です。患者さんにとってより負担が少なく、安全確実にできる手術方法を開腹術または腹腔鏡下手術から選択しています。 巨大な筋腫でもホルモン剤の使用で手術前に10センチ程度以下に小さくできれば腹腔鏡下手術が可能です。しかし、それ以上大きかったり、筋腫の数が多数個ある場合、周辺組織と癒着している場合には開腹手術が必要です。より安全、確実に手術できる方法を選ぶことが最も大切だからです。―腹腔鏡下手術が出来る病院は多いのですか渡邊副院長 多くの病院で行うところが増えてきました 福岡山王病院の産婦人科と外科では、患者さまの身体に優しい低侵襲手術を積極的に行っています。お腹を大きく切る開腹手術に比べて術後の痛みも傷も格段に小さく、日常生活へ早く復帰できるのが最大のメリットです。産婦人科の渡邊良嗣部長(副院長)と外科の山本学部長の2人に、低侵襲手術について聞きました。【産婦人科】全国屈指の腹腔鏡下手術症例痛みが軽く翌日から歩ける充実した6人の技術認定医子宮温存手術も可能患者さまの身体に優しい低侵襲手術渡邊 良嗣 産婦人科部長(副院長)、山本 学 外科部長インタビュー渡邊良嗣副院長渡邊副院長の低侵襲手術