ブックタイトルライフアップVOL.79

ページ
7/24

このページは ライフアップVOL.79 の電子ブックに掲載されている7ページの概要です。
秒後に電子ブックの対象ページへ移動します。
「ブックを開く」ボタンをクリックすると今すぐブックを開きます。

概要

ライフアップVOL.79

6 | LIFE UP 股関節に障害が起こると、痛みにより歩くことすら困難になり、日常生活に障害が生じて、ひどい場合には車椅子が必要になることもあります。柳川リハビリテーション病院では、こうした変形性股関節症、大腿骨頭壊死症、関節リウマチの股関節痛などの股関節疾患に対して、今年6月から、人工股関節置換手術を開始しました。 この手術は、変形したり破壊された関節部分(大腿骨と骨盤側の凸凹の部分)を金属と樹脂でできた人工股関節に入れ替えるもので、約5000例もの人工関節置換手術実績のある樋口富士男病院長や、この春着任した吉光一浩整形外科部長が執刀します。術後は、樹脂でできた部分が軟骨の代わりとなり、滑らかに人工関節を動かすことができます。 人工関節にすると痛みもなくなり、脚の長さも補正できて歩きやすくなるため、患者さまの日常生活の質を高めることができます。人工関節の耐用年数は20年程度と考えられているため、若年層には若年層向けの人工関節や骨切り術、60歳以上には人工股関節置換手術が適しています。 当院の人工股関節置換手術の特長は、器具や手技を工夫して傷口を小さくすることで、患者さまの負担を軽減している点にあります。一般的に15?25センチほどの切開を要するこの手術は切開が大きいほど出血も多く回復も遅くなるのですが、当院では傷口が7?12センチほどですむ前側方進入法による手術を行うため手術時間が平均60分と短く、術中の出血も平均100グラムと少量。術後の痛みも少なく回復も早いことや、止血法の工夫で術後出血量が少ないことから、高齢者でも手術を受けることができます。 また、脱臼等の合併症も少なく、術後6カ月を過ぎると日常生活の制限はほとんどなくなります。 使用する人工股関節のタイプは、病気の種類や重症度により異なります。患者さまの要望や日常生活での特殊な動きも考慮し、担当医師が決定します。 年齢とともに膝の半月板や軟骨がすり減り、膝に炎症がおきて徐々に変形する変形性膝関節症、大腿骨内顆骨壊死、関節リウマチなどの膝関節疾患に対しては人工膝関節置換手術を行っています。 破壊された関節部分(膝関節を挟んで大腿骨と脛骨の凸凹の部分)を金属と樹脂でできた人工膝関節に入れ替える手術で、術後、正座はできないまでも、まっすぐな美脚と痛みのない歩行が期待できます。 骨の状態や靭帯機能がどれだけ残されているかなどを考え合わせて、人工膝関節のタイプを決定します。 術後は、筋力や関節の回復約5000例もの実績を持つ樋口病院長、吉光一浩整形外科部長が執刀術後の痛みも少なく回復早い当院人工股関節置換手術の特長病気の種類や重症度によって人工関節の種類を決定まっすぐな脚と痛みのない歩行が期待できる人工膝関節置換手術術後のリハビリテーション人工股関節・膝関節置換手術を開始痛みを伴う膝・股関節疾患に対してクラス100のクリーンルーム手術室が完成を促し早く日常生活動作の自立ができるように、早期にリハビリテーションを開始することが重要です。 365日リハビリテーションを実施する当院では、手術の翌日から開始。初日はベッドの上で理学療法士による筋力トレーニングや血栓予防のリハビリテーションを行い、同時に作業療法士が病棟での生活指導を行います。 膝関節は術後3日目から、股関節は6日目から起立・歩行訓練を始め、およそ4週目で階段昇降や床からの立ち上がり動作、入浴動作の練習も行います。リハビリ期間は、一般的には3カ月が目安となります。 整形外科部長吉光 一浩久留米大学卒業久留米大学大学院修了医学博士前久留米大学医療センター日本整形外科学会認定整形外科指導医・専門医・リウマチ医・運動器リハビリテーション医病院長国際医療福祉大学 教授樋口 富士男日本整形外科学会認定整形外科専門医日本リウマチ学会認定リウマチ専門医日本自己血輸血学会理事日本股関節研究振興財団理事ベストドクター選出本来、菌がいない部分に施術する人工関節置換手術の場合、空気中から落下してくる菌によって感染症を引き起こす場合があります。そこで当院では、空気清浄度が最も高いクラス100のクリーンルーム手術室を完成させ、より高度な感染予防を行っています。手術風景?▲クラス100の クリーンルーム手術室