ブックタイトルライフアップVOL.79

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概要

ライフアップVOL.79

LIFE UP | 3高木病院だより 今秋、九州大学病院心臓血管外科の協力により心臓血管外科医2人が入局。常勤医3人体制が整い、あらゆる循環器疾患の外科的治療に対応しています。 心臓弁膜症の手術では、患者さまのQOL(生活の質)を考慮し、僧帽弁形成術や弁温存人工置換術など、自己弁組織を温存する手術法を用いています。大動脈弁置換術では、主に人工弁を使用しますが、長期の服薬が必要ない生体弁を積極的に取り入れています。 狭心症や心筋梗塞が進行し、内科的治療が困難となった場合は、これらを外科的に治療する「冠動脈バイパス術」を行います。患者さまの状態に合わせて、心臓停止下の手術のほか、心臓を動かしたままで行う心拍動下バイパス手術にも対応しています。 腹部・胸部大動脈瘤の治療は、外科的な人工血管置換、またはステントグラフトのいずれかを行います。人工血管置換は動脈瘤を切り取って新しく人工血管に置き換える手術で、手技的にも長期成績的にも優れた方法です。 循環器疾患の中でも緊急性が高いのが、心筋梗塞や狭心症といった虚血性心疾患です。内科的治療では、先端が風船状になったカテーテル(細い管)を使用し、風船の外側の特殊な金網(ステント)で、冠動脈の狭くなった部分を押し拡げます。患者さまへの負担が軽く、術後すぐに歩行可能です。4月からは心臓カテーテル室室長として三根大悟医師が着任し、山本唯史医師と共により充実した体制での治療が可能となりました。 不整脈の治療にはカテーテルアブレーション〝心筋焼灼(しょうしゃく)術?を行います。心臓に挿入したカテーテルの先端から熱を発生させ、不整脈の原因となっている箇所を焼灼して根治します。稲毛智仁医師、片桐敏雄医師が治療にあたっています。 致死性不整脈による突然死を予防する植え込み型除細動器(ICD)や、難治性心不全に対する両室ペーシングによる心臓再同期療法(CRT)も行っています。心臓血管外科部長小江 雅弘 高木病院「循環器センター」では、循環器内科と心臓血管外科を中心にチーム医療を行い、救急疾患から生活習慣病まで幅広く診療しています。特に救急に対しては、急性心筋梗塞、解離性大動脈瘤などあらゆる救急患者さまの受け入れ体制を構築し、365日24時間、循環器の専門医による治療が可能です。腹部・胸部大動脈瘤ステントグラフト内挿術実施施設にも認定されています。緊急手術に対応するほか、外科分野の診療がさらに充実循環器内科では、からだに優しいカテーテル治療を実施主に取り扱っている疾患1982年九州大学を卒業し、徳永皓一初代教授が主宰する九州大学心臓外科教室へ入局。大学および関連病院での臨床研修の後、大学研究室およびピッツバーグ大学胸部外科で周術期の心機能に関する研究を行いました。その後は大学関連病院での臨床経験を重ね、2002年より熊本市民病院心臓血管外科部長として働いてきました。循環器内科分野◎狭心症・心筋梗塞 ◎頻脈性不整脈 ◎心不全 ◎難治性高血圧 ほか◎虚血性心疾患:狭心症、心筋梗塞など◎弁膜症:大動脈弁および僧帽弁◎大動脈疾患:胸部および腹部大動脈瘤、急性大動脈解離◎末梢血管:閉塞性動脈硬化症、急性動脈閉塞◎静脈疾患:下肢静脈瘤 ほか心臓血管外科分野循環器センターの体制を強化!心臓血管外科常勤医3人となり