ブックタイトルライフアップVOL.79

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概要

ライフアップVOL.79

10 | LIFE UP専門/消化管外科(食道・胃・大腸)前国立病院機構九州がんセンター消化管外科医長日本外科学会認定 指導医・外科専門医日本消化器外科学会認定 指導医・消化器外科専門医日本食道学会認定 食道外科専門医・評議員日本内視鏡外科学会技術認定医日本消化器病学会認定 消化器病専門医日本臨床腫瘍学会認定 がん薬物療法専門医日本胃癌学会代議員医学博士外科部長国際医療福祉大学教授山本 学320列エリアディテクターCT模擬体験を指導する中村病院長新外科診療体制嚥下支援を強化10/8「ブラック・ジャックセミナー」を開催 新たに320列エリアディテクターCTが10月に導入されました。当院のCT装置は、2台の64列マルチスライスCTがすでに稼働しています。 CTは、X線を使って身体の断層像を撮影し、コンピュータで画像処理する装置です。今回導入された320列CTは、16センチの範囲に収まる臓器全体(脳・心臓等)をわずか0.275秒で撮影できます。撮影時間の短縮によって息止め時間が短くなり、これまで検査が難しかった高齢の方や呼吸器疾患をお持ちの方などでも撮影が容易になりました。この他、放射線被ばく量や使用する造影剤の量が少なくなるなど身体への負担が大幅に軽減されました。さらに、心拍や呼吸の影響が少なくなり画質が向上し、より精度の高い診断が可能になりました。 当院では、循環器センターを中心に使用する予定で、心臓CT検査で冠動脈の狭窄(きょうさく)・閉塞(へいそく)の診断、冠動脈の動脈硬化(プラーク)、心筋症や心臓奇形などについて評価を行います。 今回の導入にあたり循環器センター長の横井宏佳医師は、「動きのある心臓を撮像する上で最適なCTが導入されました。福岡県内でも最新の機種であり、低被ばくで高画質な冠動脈CT画像が撮影可能となり、多くの患者さんやかかりつけ医の先生に貢献できると思います。年内は1日5件の予定ですが、来年1月からは1日10件の検査が可能な体制を計画しています。循環器センターを中心に使用するので待ち時間がなく、検査結果も同日にお返しすることが可能なので、活用いただきたい」と語りました。 7月、外科部長に山本学医師が着任しました。山本部長は消化管外科を専門として、食道・胃・大腸疾患の内視鏡手術および化学療法の診療を中心に、現在まで3000例以上の手術を経験しています。 外科部門は一般外科・乳腺外科・消化管外科・大腸肛門外科および今年度新たに加わった呼吸器外科を含めた新体制で取り組んでまいります。 平成27年の人口動態統計によると、日本人の死因の第3位は肺炎で、90歳以上でみると死亡原因の1位となっています。 高齢者の肺炎による死因のほとんどは嚥下性肺炎(誤嚥性肺炎)です。飲み込む時に食べ物や水分が気管や肺に流入する誤嚥によって、肺で細菌が繁殖することで起こります。「むせやすい」「飲み込みづらい」などは嚥下障害のサインです。当院では嚥下障害がある入院患者様には、食事を柔らかくしたりとろみをつけたりして工夫しています。この他、言語聴覚士がリハビリテーションを行い嚥下機能の回復を図ります。音声・嚥下センターでは、部長の梅﨑俊郎医師を先頭に各診療科の医師、看護師、言語聴覚士などが緊密に連携を図り嚥下障害に対応しています。 6月にはこの分野に精通する耳鼻咽喉科部長・安達一雄医師が着任し、7月には嚥下障害支援委員会が発足するなど嚥下支援体制を強化しています。 10月8日(土)午後1時から、高校生の医療体験セミナー「ブラック・ジャック セミナー」を開催しました。このセミナーは、将来、医療従事者になることを目標とする地元の高校生に対して、手術や検査の疑似体験を通して医療職への理解を深め、進路選択に役立ててもらうことを目的に開催されています。 当日は、当院の病院長で産婦人科の中村元一医師も参加し、専門とする腹腔鏡下手術の疑似体験を指導しました。病院長は「器具の扱いがとても上手な生徒さんもいて驚きました。今日のイベントが将来の進路を決める際の参考になればうれしく思います」と話しました。 参加した高校生らは、「説明を聞くのと実際にやってみるのとでは全然違って、すごく難しかった。いい経験ができました」などと感想を語ってくれました。この模様はRKBテレビのニュース番組で放映され、毎日新聞、西日本新聞にも取材記事が掲載されました。高度医療機器の提供を通して地域医療に貢献320列エリアディテクターCTを導入えん  げ